リーマンショック後の国際経済はニューノーマルの時代を迎える、と言われています。ニューノーマルとは何でしょうか? そして、そのような時代における情報化はどのように考えればいいのでしょうか?
今回は、ニューノーマル時代の情報化について考察したいと思います。
「ニューノーマル(new normal)」という言葉をご存知でしょうか?
米国の債券運用会社ピムコ(PIMCO)の最高経営責任者であるモハメド・エラリアン(Mohamed El-Erian)氏が提唱し、米国の経済関係者の間に広まったと言われています。
「リーマンショックから立ち直った後の国際経済は、以前の経済とは別物になっている」という指摘で、「2010年から始まる新しい常識、新しい常態、新しい価値観」を指しています。
「ニューノーマル=新しい秩序」に対する見解はいろいろあるようですが、共通していることは「元の状態には戻らない」ということのようです。
行き過ぎた市場経済、実態の伴わない金融経済、などリーマンショックから学ぶことはたくさんあったように思います。そして、その先にあるものは「地に足をつけた実体経済」であるように思います。
消費活動にも、そうした兆候が表れているのではないでしょうか。単なる低価格ではなく、それなりの質を維持した低価格を売りにしたお店が盛況しています。一方で、自分のこだわりの分野には、それなりにお金を使う消費行動も見られます。
こうした消費の状況は、自分の身の丈に合った行動であるように感じ、「地に足をつけた実体経済」であるニューノーマルの表れではないかと感じています。
一方、企業側もこうした経済状況の中で、生き残っていくことを模索しなければなりません。経済が大きく成長できない状況にあって、自社をどのように成長させるかを真剣に考える必要があります。
経済が成長しているときは、その流れに乗っていれば、自然に自社も成長することができました。これを、自分たちの努力の結果だと勘違いしている経営者が多いのも事実です。
そのため、今の経済状況を恨み、業績が悪いことを周りのせいにすることになります。
保健学博士の河合薫さんのコラムを読んでいたら、次のような文書がありました。
自分の状況を『理解』し、『否定しない』でありのままを受け入れることができると、他者と関係を深め、自分にしかできないであろうと思えることに力を注ぐようになる。この積み重ねが、『価値』を見出すことにつながるのだ。
自社の置かれている状況を客観的に理解し、それを素直に受け入れたうえで、自社にしかできないことに注力することが、これからの時代を生き残っていくためには重要なことだと思います。他社のモノマネや時流に乗っただけの経営では、行き詰まる時代になっています。
こうした時代にあって、企業の情報化はどのように進めるべきでしょうか?
「情報化」を、『情報を活用することで企業の競争力を高めて業績を上げることであり、そのためにシステム(IT)を構築したり利用すること』であると定義したいと思います。
そのヒントが、上記の河合さんの言葉の中にあるように思います。
●自分の状況を『理解』する
社内外の情報を集め、自社の置かれている状況を客観的に知ることです。「客観的」という言葉は、お客様から観たという意味です。市場や顧客から見て、自社がどのような立場にあるのかを「あるがままに」知る必要があります。
顧客情報や販売情報などを収集し分析し、経営者の勘ではなく、客観的な事実として知ることが大事です。そこに、顧客管理システムや営業支援システムなどのITを有効に利用することができます。
●他者と関係を深める
同業者だけでなく、異業種との交流など、いろんな企業との関係を深めていくことで、自社にしかできないこと、自社の強みがよりはっきりしてくると思います。そのためには、積極的に行動し、情報発信をしっかりと行うことが必要になります。
例えば、ホームページを開設し自社を広くアピールすることで、思いがけないところから商談が持ち込まれることがあります。これは、自社の強みを周りから教えられた事例だと思います。
●自分にしかできないであろうと思えることに力を注ぐ
自社の強みを更に強固なものにし、顧客に価値を提供し続けるために、社内の業務を改善し続けることは重要です。その場合、お客様に提供する価値を作り出す業務がどのような状況なのか、自分たちが目指している通りになっているのか、を把握し、改善点を見つけ出さなければなりません。PDCAを回すことが必要です。
社内業務の「見える化」を行うことで、こうした改善活動を効果的に進めることが大事で、そこに、基幹システムや生産管理システムなどのITを有効に利用することができます。
閉塞感の漂う経済情勢ですが、地道に一歩一歩前進し成長するために、ITを利用して情報を活用することを上手に行うことが、これまで以上に重要な時代になってきたように思います。












